村に来て初雪。
起きて外に出てみれば雪が降っていた。
ここで傘を差して出かける……ほどやわい体ではない。気にせず出かける。
昨日話を聞けずじまいだった家の増築を依頼しに行く。
なにやら大金を請求されたが問題ない。今日から南の島でお金稼ぎができるのだから。
商店街の帰り道、なにやら工事が行われていた。何か建つのだろうか。
今日の住人は割り平和だった。奇行に走ったりせず大人しいものだ。
雪が降っているからだろうか。
そういえば今日はワシを一回も見ていない。凍死でもしていたら大変だ。明日はちょっと気にしておいてやろう。
UMAが海のものを何でもいいからくれと言ったのでカレイを渡すと服をくれた。
割とセンスがいい。ねずみ小僧とは大違いだ。
そういえば昼間の南の島へ行ったことがなかった。
寄贈品集めに行ってみることにした。
それにしても昼間の南の島はなんというか……虫取りとかも地味だな!
カマキリばかり捕まえるのも飽きてふと借りられる道具の中に斧があることに気づいた。
気づいたら南の島は綺麗な更地となっていた。
木は切り倒し、幹や花はスコップで掘り起こせる事に気づいたのでせっせとやってみた。
うむ、綺麗だ。満足した。
一旦帰ることにし、また夜に虫を取りにこよう。
そして数時間後。
更地となった南の島に一人たたずむ俺。
虫は……フナムシが元気に走り回っているだけだ。
迂闊な行動に公共事業費と家のローンの支払いに頭を抱えた。
仕方ないのでマラソンしてみる。
こけた。
一回じゃなく何度もこけた。こけまくった。ずしゃーおわー!ってなった。
南の島の祟りだろうか。
こんな縁起の悪そうな場所、一刻も早く立ち去るべきだ。
村に逃げ帰る。
もう今日は疲れたし、家に戻ろう。雪も降ってて寒いし。
走って帰る道中、何度も転んだ。
顔面が冷たい。
明日、必要ならばお払いに行こう。何かに祟られているのかもしれない。
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