電車に揺られて目的地を目指す。
電車の中でぼんやりしていたら目を見開いた猫が寄ってきた。怖い。めっさ怖い。
怖いやつが目の前に座り話しかけてきた。誰か助けて、と思ったが周囲に誰もいない。当然か、深夜二時前。夜行列車でもないのに電車乗ってる奴は訳ありだろう。
俺はほら……始めた時間がその時間だったから仕方なく……。
あれこれ質問されて引越しすることなどを猫に話した。話していると到着のアナウンスが流れた。
車掌を見ると……サルだった。人だと思ってた!
村に到着すると、住人が出迎えてくれた。
猫にワシにアリクイに……ねずみ小僧がいた。堂々とした泥棒スタイル。おまわりさんはいないのか。
村長さんだー!とはしゃぐ住民。ちがう、そんな話聞いてない、というと
「またまた~」
と軽く流された。流してんじゃないよ、聞いてないよそんな話。
しかし、ふと気づいた。ここで村長になればこの村を牛耳る事も可能だと。
つまりここが自分の王国になるのだ。
悪くない。
話をあわせると村長ということになった。
喜ぶ住人を見ていると悪くない、と思った。
役所に行って手続きしてたら、自分の家がない事を告げられる。
まて、真冬に家なしはやばい。村長としてもやばい。
話をするとたぬきハウジングで家を作る手続きをするように言われた。
早速出向き、家を作る土地を確保する。
だが、家がないのは変わりない。
待ってろ、と言われ待っているとテントを用意された。
いや、おかしい。真冬のテントは下手をすると死ぬ。
わー、中に入るとキャンプみたいでわくわくするぅー。
ば か か っ !
でもどうしようもないらしく、諸々の見積もりをするので明日着てくれと言われた。
仕方ないので一日だけテント生活だ。
木を揺らすとお金が手に入るらしいので揺らす。
UFOキャッチャーが落ちてきた。
当たり所が悪かったら死んでいる。
アドバイスしてきた奴は俺を亡き者にしようとしているのだろうか。
火サスもびっくりである。凶器は木の上のUFOキャッチャー。斬新過ぎる。
その後、他村の村長に出会い必要なものをもらった。
これは大したゆとり生活。ありがたい。
ランタンも貰い、テント内も明るくなった。
ふと思い出し、拾ってきたUFOキャッチャーを飾ってみた。
……テント内がすごく狭くなった。
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